猫のブリーダーになるには? 資格とおすすめ通信講座

ブリーダーになるには
猫のブリーダーになるには? 資格とおすすめ通信講座

ブリーダーとは、ペットを繁殖させて販売する職業のことです。

ブリーダーは本業だけでなく、サイドビジネスとして楽しみながら取り組む人も多いです。繁殖させる動物には犬やウサギなどありますが、猫も人気が高いです。

猫のブリーダーをキャットブリーダーと呼ぶことがあります。

近年は猫を飼う家庭が増え、キャットブリーダーのニーズが高まっています。猫は犬よりも手がかからず、繁殖や飼育がしやすい点が魅力です。

そのため猫のブリーダーは、業界でも注目を集めつつあります。

今回は猫のブリーダーになるにはどうすればいいかを解説します。




 キャットブリーダーの仕事


猫のブリーダー(キャットブリーダー)の仕事は、猫を交配して繁殖させ、流通させることです。ペットショップで販売される猫は、大半がブリーダーの手によるものです。

ブリーダーはペットビジネスの根幹をなす重要な役割を担っています。

猫のブリーダーになるには、単に猫が好きというだけでは務まりません。ブリーダーはペットの知識だけでなく、流通や販売に関わるビジネスの知識も求められます。

◆ ブリーダーの仕事に必要なスキル
・ペットの交配
・出産や育児
・病気と健康管理
・流通や販売
・法律や法令

動物の命に関わる仕事だから、責任は重大です。知識やスキルだけでなく、高い倫理感が要求されます。仕事では優れた人間性が求められる重要な職業です。

実際、利益のためにペットを乱繁殖させる悪質なブリーダーもいます。

ビジネスである以上、利益は大切です。しかし利益のために動物の命を軽視してはいけません。

一つの命を預かっているという使命感を決して忘れないでください。

そういう意味では、ブリーダーに最も求められるのは「ペットが好きという気持ち」「ペットを愛する気持ち」と言えます。知識やスキルよりも、この気持ちが何より大切です。

ブリーダーの仕事は「ペットが好き」というだけでは務まりませんが、「ペットが好き」という気持ちを絶対に忘れてはいけないということです。


 猫のブリーダーになるには?


1.ペット講座を受講

2.必要な知識と技能の習得

3.カリキュラムを修了

4.ペット資格を取得

5.動物取扱業の登録

6.ブリーダーとして開業

猫のブリーダーになるには、まず専門学校などで必要な知識や技能を学びます。

専門的な知識やスキルがないのに、プロのブリーダーになることはできません。

通える範囲に学校がない場合、通信講座で学習するという方法があります。近年は通信講座もカリキュラムやサポートが充実し、プロを育成する体制が整っています。

猫のブリーダーになるのに必ずしもペット資格は必要ありません。ただ猫の専門的な勉強をするついでに、何かしらの資格を取る人が多いです。

現在のところ「キャットブリーダー資格」という名称の資格は存在しません。

日本ペット技能検定協会の『ペット繁殖指導員』資格を取るといいでしょう。

猫のブリーダーになりたい人は、猫専門の資格である『キャットシッター』や『キャットケアスペシャリスト』といった資格もおすすめです。

これらの資格は猫のプロを目指す人に最適です。特にキャットケアスペシャリストは猫の出産や繁殖も学習することから、キャットブリーダーを目指すにはうってつけです。

他にも動物看護士や愛玩動物飼養管理士も、ブリーダーを目指すには有効です。

もちろん全ての資格を取る必要はありません。自分が何を重点的に学びたいのかを検討し、それに対応する資格を取得してください。

血統書が必要な場合は、血統書を発行している愛猫団体に届け出をする必要があります。団体によって登録料や手続き料が違います。

繁殖した猫の血統書は、その団体が発行してくれます。


 猫のブリーダーに求められるもの


・猫に対する深い愛情
・猫に関する幅広い知識と技能
・責任感と高い倫理観

キャットブリーダーになるには、猫好きであることが大前提です。しかし単に猫が好きなだけではキャットブリーダーは務まりません。

キャットブリーダーは猫を交配させて繁殖し、流通させることがお仕事です。

猫の命にかかわる重大な職業なのです。

猫の生態や品種をはじめ、繁殖や出産、健康管理や飼育方法、医療や看護など幅広い専門知識が求められます。愛情と知識の両方が、キャットブリーダーには求められます。

プロとして活動する場合、収入も大事です。しかしお金のために無計画な乱繁殖を行うことは厳禁です。キャットブリーダーには責任感や誠実さ、高い倫理観が不可欠です。


 動物取扱責任者の登録を行う


猫のブリーダーとしてビジネスを行う場合には、動物取扱業の登録が必要です。

これは都道府県知事や政令市の長に申請を行います。

動物取扱業の登録をするには、1名以上の動物取扱責任者を配置することが義務づけられています。個人でブリーダー業をする場合は、あなたが動物取扱責任者になります。

動物取扱責任者になるには、次の要件を満たす必要があります。

1、動物取扱業の申請業種で半年以上の実務経験がある
2、ペットの専門学校などで1年以上学習して卒業している
3、定められたペット資格を保有している


2020年の動物愛護管理法の改正により、「1」が必須となりました。なおかつ「2」または「3」を満たさなければなりません。従来よりもハードルが高くなっています。

趣味でブリーディングを行う場合は、届け出は必要ありません。しかしビジネスとして猫のブリーダーになる場合は、必ず届け出てください。

無登録で営業した場合は30万円以下の罰金が科せられます。

登録に必要な要件や手続きは、各都道府県によって若干異なります。詳しくは地域の保健所などに問い合わせて頂ければと思います。


 動物取扱責任者の登録サポート


最近は通信講座でも動物取扱責任者の登録サポートを行っています。小さな講座では行っていませんが、ペット業界のプロを育成する大手の講座で行っています。

このようなサポート制度を活用するのも一つの方法です。

猫のブリーダーになるには専門の勉強をしなければなりません。かといって年間100万円単位のお金が必要となる専門学校に通うのは大変です。

通信講座なら専門学校より安い費用で学べるし、自宅で資格取得まで目指せます。プロを目指す人は、動物取扱責任者の登録サポートがある講座を選ぶといいですね。

調べたところ、ヒューマンアカデミーや日本ケンネルカレッジが対応しています。

また愛玩動物飼養管理士の資格を取る人も多いです。

愛玩動物飼養管理士は「定められたペット資格」の1つとして、多くの自治体に認められています。


 猫のブリーダーの注意点


猫のブリーダー資格と通信講座

散歩や運動が必要な犬と違い、猫はあまり手間がかかりません。

繁殖場も寝床とトイレ、フリースペースがあればOKです。少ない頭数ならマンションの一室でもブリーディングができます。犬と比べると、猫のブリーダーになるのは敷居が低いです。

ただし自宅でブリーディングをする場合は、近所迷惑にならないよう注意しましょう。

特に鳴き声やニオイが外に漏れないような工夫が必要です。

自分がペットを飼っていると、動物の匂いや声や音に鈍感になってしまいます。しかし世の中には犬や猫が嫌いな人も少なくありません。

ブリーダーとして活動していく場合、近隣とのトラブルは絶対に避けるべきです。細心の注意を払ってブリーディングを行ってください。

猫が健康に育つために、毎日掃除を行うことも必要です。

ブリーダーの中には不潔な環境でペットを飼育する人もいますが、劣悪な環境で犬や猫を飼育することは動物虐待になります。単にマナー違反というだけでなく、動物愛護管理法違反です。

処罰の対象になることを知っておいてください。

◆ ブリーディングの注意点
・鳴き声やニオイ対策を行う
・近隣トラブルに要注意
・清潔な環境で飼育する
・劣悪な環境での飼育は動物愛護管理法違反


 猫のタイプを決めて繁殖を


犬と同じく猫を繁殖させる場合も、どんなタイプの猫を繁殖させたいかを考えて親猫を選んでください。同じ種類の猫でも様々なタイプがあります。

・キャットショーに出場できそうな見栄えのいい猫
・一般的なペットタイプの猫


しっかりとイメージをした上で、ブリーディングを行ってください。

仔猫を直販する場合、飼い主に飼育方法をアドバイスしなければなりません。猫のブリーダーになるには、猫の飼養管理に関する正しい知識が必要です。

ブリーダーは動物の命を育てる仕事です。無計画な繁殖は絶対にしてはいけません。

プロとしての自覚を持ち、計画的に猫を繁殖させてください。


 おすすめの猫資格は?


猫のブリーダーになるのに必ずしもペット資格は必要ありません。動物取扱業の登録でも資格は絶対に必要というわけではないので、無資格でも働くことは可能です。

ただしペット資格を一つも持っていないと、やはり信用に関わります。

プロなのに無資格だったら「この人、大丈夫?」と誰だって心配になるはずです。

そこで何かしらのペット資格は取っておきましょう。

現在のところ「キャットブリーダー資格」という名称の資格は存在しません。そこでそれに代わる資格や、自分の気に入った資格を選んで取得を目指してください。


 キャットケアスペシャリスト


猫のブリーダーに最も対応した資格として、キャットケアスペシャリストがあります。

これは一般社団法人日本ペット技能検定協会が主催しているペット資格の一つです。その名の通り、「猫の専門家」を認定するための専門資格になります。

キャットケアスペシャリスト資格を取得するには、以下の学習を行います。

・猫の基本的な品種
・猫の飼育管理
・猫の専門用語と歴史
・動物看護学と介護学
・猫のケアとお手入れ
・猫の美容学とグルーミング
・猫の繁殖と出産


猫のスペシャリストという名の通り、猫に関するあらゆる内容をマスターします。

上記の習得スキルを見ても分かる通り、この資格は猫のブリーダーを目指すのに最適です。猫のブリーダーに求められる知識や技能を全て内包しています。

さらに美容学やグルーミングの方法も学ぶので、猫専門のトリマーも目指せます。

ペットの高齢化に向けて、動物看護士や動物介護士になりたい人にもうってつけです。

参考:キャットケアスペシャリスト資格検定の難易度や合格率


 愛玩動物飼養管理士


愛玩動物飼養管理士はペットの飼育方法や各種法令、動物愛護精神を持つ者に付与される資格です。

これは公益社団法人日本愛玩動物協会が認定する資格です。

日本愛玩動物協会は国内における動物愛護4団体の一つで、40年以上の歴史があります。そして内閣府が公認している団体でもあります。だから信頼性は極めて高いです。

愛玩動物飼養管理士は内閣府公認の公益法人認定の資格なのです。

さらにこの資格は動物取扱責任者の選任要件として、国や多くの自治体に認められています。

動物取扱責任者になる要件に、「定められたペット資格を保有」というものがあります。愛玩動物飼養管理士は「定められたペット資格」の一つとして認められています。

極めて価値のある資格でありながら、取得しやすいのも大きな魅力です。

取得にかかる費用が安く、有資格者は22万人に上ります。まさに国内最大級のペット資格です。

参考:愛玩動物飼養管理士になるには? 仕事内容と資格


 猫のブリーダーになる方法を学ぶ


猫のブリーダーについて学習する方法として、通信講座があります。

通信講座ではブリーダーの専門知識が学べて資格が取得できるだけでなく、独立開業のサポートを行っているところもあります。

ペットの専門学校は費用が高額な上に数も少ないです。

そのため通信講座で学習し、自宅で資格を取る人が多いです。猫のブリーダーになりたい人は、通信講座を利用した学習や資格取得を検討してみるといいですね。

以下におすすめのブリーダー通信講座を紹介します。

ブリーダーになりたい方やペットに興味のある方は、下記の公式HPをご覧ください。


 ヒューマンアカデミー


大手教育機関ヒューマンアカデミーでは、ブリーダーを養成するカリキュラムとして『ブリーダー講座』『ブリーダープロフェッショナル講座』があります。

これは一般社団法人日本ペット技能検定協会の認定講座となっています。

講座を修了すると、同協会の『ペット繁殖指導員』資格が取得できます。

猫の専門的な学習ができる『キャットケアスペシャリスト講座』や『愛猫健康講座』もあります。

キャットケアスペシャリスト講座では猫の品種から生態、健康、食餌、繁殖、成長、管理まで幅広く学習します。猫のブリーダーを目指す人におすすめのカリキュラムです。

講座を修了すると『キャットケアスペシャリスト』『キャットシッター』の2資格が取得できます。就職や独立開業サポートもあるため、未経験からプロのブリーダーを目指せます。

動物取扱責任者の登録サポートも実施しています。

もちろんプロを目指す方だけでなく、一般の飼い主さんにも対応しています。新設された『愛猫生活アドバイザー講座』『愛猫看護介護アドバイザー講座』も注目です。




 日本愛玩動物協会


日本愛玩動物協会は内閣府が公認する公益社団法人です。厳しい審査を受けて認定されているため、一般社団法人よりも信頼性が高い組織となっています。

同協会が主催する愛玩動物飼養管理士の資格も同様です。

・動物取扱責任者の選任要件の1つになっている
・環境省の人材認定登録等事業に登録されている


国や自治体など公的機関に認められているペット資格です。

講座では犬や猫の飼養管理、しつけ、栄養学、疾病と予防、生命倫理、動物愛護、公衆衛生、関連法規を学習します。ブリーダーとして欠かせない知識ばかりです。

オンライン講座で学習し、年2回の検定試験を受けるという流れになります。

毎年1万人が受験し、有資格者は22万人という国内最大級のペット資格です。ペット業界で働きたい人や独立開業を目指す人だけでなく、一般の飼い主さんも大勢受験しています。

信頼性の高いペット資格を取りたい人におすすめです。